超簡単!明解!【業務フロー】の書き方

超簡単!明解!【業務フロー】の書き方

はじめに

普段何気なく取り組んでいる業務。繰り返すことで当たり前になっているプロセスも業務フローに表現してみるといろいろ発見があると思います。

プロセス同士の因果関係と、物・情報の流れを整理し、見える化することでいろいろと気づきが得られるはずです。

今回は業務コンサルタントでなくてもカンタン!業務フローの書き方を紹介します。

カンタン!と言ってもとても実用的で、カメラの交換レンズ設計・製造フロー、車のワイヤハーネス、ソフトウェアテスト業務、営業業務、人材採用業務など業種・業務問わず書いてきましたが大抵なんでも表現できると思ってます。

業務フローを見える化するメリット

全体を俯瞰できる。
日々作業に没頭しているとなかなか全体像を意識することはないと思います。全体の中の担当業務を見ることで自分の立ち位置が分かり仕事の意義を実感できると思います。

木を見て森を見ず。石を運んでるんじゃない、教会を作るんだ!

これをラダー効果というそうです。勉強させていただいたサイト:ラダー効果

手順が明確になる。
自分自身の手順が明確になることもメリットですが、誰から襷をもらって、誰に繋ぐのか、その先に誰が待っているのか、考え取り組むと効率もあがります。

気づきがある。提案が出る。
形にすると頭の中で漠然としていたことが明確になってきます。なぜこんな手順でやっているんだろう?ここを工夫すれば次のプロセスはもっと効率がよくなるのに!自分、全体的な改善案が出てきます。

人に説明する時、便利。
業務フローがあると説明する時に、教える側は頭が整理された状態で伝えることができ、教えられる側も全体を把握しながら個別に注力でき理解が深まります。

基本的なルール

それでは順を追って基本ルールを説明していきます。下記の図をご参照ください。

インプット/プロセス/アウトプットを用いて業務を表現する。

IPO(インプット、プロセス、アウトプット)
基本単位は、インプットが入力され、プロセスがまわり、アウトプットを出力する。出力されたアウトプットは別プロセスのインプットとなる、インプットにならないものは最終成果物の一つと定義される。

縦軸に登場人物、横軸に時系列をとる。
横方向(列)に時系列をとります。長さ(列の幅)には時間的意味は持たせず、トリガー(後述)を明確にすることが目的です。続いて縦方向(行)に登場人物を記載します。登場順に上から記載して行くと見やすくなります。

構成要素の描画について
続いて業務フローを書くときに必要な要素についてどんな図形を用いて表現するか、それぞれ解説していきます。

【プロセス】=角の取れた四角形

【インプット/アウトプット】=四角形
インプット、アウトプットとなる物、情報は四角形で表現します。

【トリガー】=カギ実線
プロセス同士の因果関係(二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること)をカギ実線で繋ぎます。

【物、情報の流れ】=破直線
インプットを入力、プロセスを経てアウトプットを出力する線を破直線で繋ぎます。

業務フロー作成手順

対象業務とその状態を決める。
私が想定してる我が家のカレー作りとしたら下記のように分類されます。

対象業務:カレー作り
その状態:私が想定してる

ここで重要になるのが、状態を定義しておくことです。よく陥りがちなのが、現在のフローを書いている途中に改善案を思いつき、業務フローに反映してしまうことです。

業務フローはどんどん状態が変化し、最終的に出来上がるものはなにを表しているか不明な業務フローになってしまいます。つまりここで表すカレーフローは、事実ではなく、また最適なカレーフローでもないということです。

②スタートとゴールを決める。
続いてスタートとゴールを決めます。今回は下記の通り決めます。

スタート:具材を切るところ
ゴール:盛り付けるところ

現実的かどうかは別としてこの2点を明確にしないと例えばお肉はスーパーで買ってくるよね?とかどこまでも書けてしまうからです。

③登場人物を明らかにする。
今回の事例では、母、息子、娘を登場させることとします。

④プロセスを設定する。
業務フローの枠が整ったところでいよいよ要素を

プロセス①:肉を切る。
インプット:材料
プロセス:肉を切る(担当:母)
アウトプット:カット肉⑤プロセス02<野菜を切る>

プロセス②:野菜を切る。
インプット:材料
プロセス:野菜を切る(担当:母)
アウトプット:カット野菜

プロセス③:炒める。
インプット:カット肉、カット野菜
プロセス:肉、野菜を炒める(担当:娘)
アウトプット:肉野菜炒め

プロセス④:煮込む。
インプット:肉野菜炒め、カレールー
プロセス:煮込む(担当:娘)
アウトプット:カレー

プロセス⑤:盛り付ける。
インプット:カレー、ライス、皿
プロセス:盛り付け(担当:息子)
アウトプット:カレーライス

そして書いてみたのがこんな感じです。

対象とその状態を決め、まず最後まで書き切る。

手直し、詳細化

ここまで出来上がってくると色々気づきがあります。例えば・・・

炒める順番がキモなんだな!玉ねぎは飴色って言うし。
→プロセスを分割する。

ジャガイモは煮込まずに粉吹き芋にしてあとのせだな!煮込むと無くなっちゃうだろうし。
→別プロセスを作る。

福神漬けものせてるな!そういえば生卵!!(私だけ…)
→インプットを増やす。

そもそもルウ使ってないかも?
→うーん、だいぶ作り直し。。。

書きなおすのではなく、コメントや修正ポイントを追加していく。

人は形になってくるとあれこれ意見が出てくるんですよね。自分で作ったものに対しても、特に他人の作ったものには。

上記のように意見をマッピングできることも業務フローを書いた効果ですね。

以上、カレーを例にした業務フローの書き方でした。